生産技術

Production

はなびらたけを生産するということ

世の中には機能性の高い食材があります。冬虫夏草や高麗人参などが有名ですが、ともに生産が非常に難しく高価であることなどの共通点があります。実ははなびらたけもこのような機能性食材の一つとして認識されているのです。実際に、標高1000メートルを超える恵まれた自然環境の中でしか生育できません。生育には通常のキノコの3倍以上である4ヶ月近くかかるため、他の菌に侵され成長できないケースが多いのです。そこではなびらたけが選択したのは、他の菌が生育できない環境で栄養体に寄生し成長することでした。それがマツなどの針葉樹林帯だったのです。当然、他のキノコと同じく広葉樹でも育ちますが、そこは環境の良い場所で、成長の速い菌に場所を取られ、栄養を受け取れないのです。針葉樹には自らを守るため、表皮にはリグニンと呼ばれる毒性ポリフェノールが多く存在します。普通のキノコはそれら毒素が分解できないため、基本的には生育できないのです。そして梅雨後に毒素が流れて殺菌された場所に、はなびらたけは根をつけ、あえて夏という時期に成長する非常に珍しいキノコなのです。
また、成長の過程で異常な程、酸素を消費すること、それにより針葉樹の毒を分解し、自らのみが生育できる環境をつくる特殊性が、機能性成分に関与していると考えられます。はなびらたけは「腐朽菌」といわれますが、結果的に針葉樹の毒に勝ち、寄生することで強力に養分を吸い取り腐朽させるのです。当社では、自然環境で生育するはなびらたけが、機能性面で非常に優れていることを様々な研究により認識しております。自然のはなびらたけはβグルカン以外の有効成分が多いということも事実なのです。この有効成分が実はポイントなのです。

生産地

こんなところで生産しています
山梨県の南部、身延山の近くで目の前には富士川が悠然と流れ、施設の横では滝が流れ、緑が豊かな素晴らしい環境で近代的植物工場を立ち上げ、はなびらたけを生産しています。綺麗な空気と水という環境が無ければ、元気に育たない神経質で気難しいキノコなのです。

山梨県南部の植物工場

「食」は、「人」を「良」するもの。
「食」は、身体の中に入るもの。

自社で販売する以上、原料からこだわりたい。インタートレードグループは、自らはなびらたけを生産する道を選択しました。

生産プロセス

はなびらたけが皆様のお手元に届くまで
当社のはなびらたけ生産方法は他社と異なり、天然に近い子実体の生産を目指しています。他社のはなびらたけでは、免疫活性成分として知られる「β1-3Dグルカン」の含有量を最大限に設定しているため、βグルカンでは乾燥物で50%以上のものが殆どです。当社のはなびらたけは逆にβグルカンの含有量を極力抑え、細胞質有効成分を最大限に設定するため、βグルカンでは乾燥物で40%以下に抑えています。βグルカンの含有量を上げること、下げることのコントロールを可能とし、あえてその方式を選択していることには、大きな理由があります。それが科学的根拠の意味するところであり、学校法人東京女子医科大学、国立研究開発法人産業技術総合研究所と共に共同研究を行っている内容なのです。この時間をかけて成長する当社はなびらたけが皆様のお手元に届くまでには、様々な過程を経ています。当社はなびらたけは天然環境と近い栄養分を与えゆっくり育てており、出荷するまでに長い時間を要します。この長い間、しっかりと順調に育ったはなびらたけのみを、皆様にお届けしています。

1.培地生成/攪拌
培地生成/攪拌
野菜栽培の土作りと同じように、はなびらたけが育つ栄養源を「培地」といいます。栄養源はおが粉を中心に、必要な天然の栄養素を大型ミキサーで均一に攪拌し、水分量を調整して完成です。
2.菌床作成
菌床作成
はなびらたけが育つ容器(ブロック)を「菌床」といいます。専用の栽培袋に、生成された培地を専用機械で詰めます。この段階では菌床は外の空気に触れているため、ここには沢山の微生物(菌)が混入しています。
3.殺菌処理
殺菌処理
はなびらたけはとてもデリケートです。しっかり育てるためには、菌床に潜む他生物を排除する必要があります。高圧殺菌釜という専用機械で菌床を殺菌し、無菌状態にします。
4.接種
接種
殺菌後に熱を冷ましたら、無菌状態の菌床にいよいよはなびらたけを植える「接種」作業を行います。無菌状態の菌床に雑菌が入らないよう、接種作業は無菌室で慎重に実施します。接種後は、栽培袋の口をすぐに密閉し、培地とはなびらたけの菌のみの状態にします。
5.培養
培養
菌床の中で2-3ヶ月間もの長い時間をかけてゆっくりとはなびらたけが育っていく期間を「培養」といいます。培養中は培養室と言われる専用の部屋で温度や湿度などを24時間厳密に管理し、しっかりと育っているかを確認しています。
6.発生
発生
培養に無事成功したはなびらたけは既にしっかりと菌床に根付いており、雑菌にも負けません。発生室と言われる部屋へ移動し、いよいよ袋をカットして子実体と呼ばれる「はなびら」を咲かせる工程が発生期間です。はなびらたけは凡そ1ヶ月間掛けてはなびらを一斉に咲かせます。
7.収穫
収穫
発生室で成長し過ぎると、はなびらたけは大きく成長しますが、胞子が出始め味覚や栄養価が落ちてしまいます。そのため、発生状況を常時チェックし、タイミングを見計らって一つ一つ大切に収穫していきます。
8.出荷(生鮮)
出荷(生鮮)
生鮮の場合は鮮度が重要なため、収穫後はすぐに包装作業を行い、出荷いたします。
8.出荷(健康食品)
出荷(健康食品)
健康食品などには乾燥はなびらたけを用います。委託先の製薬会社様へ移送し、厳密な品質チェック、並びに加工処理を行う粉末や錠剤に加工します。

利用済み培地リサイクル

CSR(企業の社会的責任)として
収穫後の培地には、はなびらたけ菌糸により分解された針葉樹が腐葉土と同様に栄養豊富な状態で残っております。この収穫後の菌床を発酵させたものは、農作物にとっても非常に良質な肥料となりますので、近隣の農業事業者や農家の方々にご提供させていただくことで、地元への貢献という意味でも役立っております。